和室収納家具で整える、ちょうどいい暮らしのかたち
2025.05.01
和室に合う収納家具を探すとき、「雰囲気になじむか」「使い勝手はどうか」など、気になるポイントはたくさんあるかもしれません。
昔ながらの押し入れや天袋は、奥行きがあり収納力もあるものの、現代の暮らしには少し使いにくいと感じる方もいるのではないでしょうか。
洋服や細々とした日用品、趣味の道具など、今の暮らしに合った収納のかたちは人それぞれです。
木の風合いを活かした家具や、空間にやさしくなじむデザインを取り入れることで、和室はもっと居心地のよい場所になります。
本記事では、そんな「和室収納家具」の選び方やアイデアについて、やさしくご紹介していきます。
Contents
和室収納が使いにくいと感じる理由とは?

和室の収納は一見たくさん入りそうに見えますが、いざ使ってみると「ちょっと使いにくいな…」と感じることもあるのではないでしょうか。
和室収納が使いにくいとモヤモヤする理由とは何でしょうか。
押し入れや天袋の「デッドスペース」問題
和室によくある収納といえば、押し入れや天袋、地袋などですよね。
見た目はしっかり収納できそうな印象ですが、実際に使ってみると「なんだか使いづらい…」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
例えば、押し入れは奥行きが深く、物をたくさん入れられる反面、奥にしまった物が見えにくくなったり、取り出しにくくなったりします。
天袋も手が届きづらく、結局あまり使わずに空いたまま…ということもよくありますよね。
こうした“うまく使いきれないスペース”が積み重なると、収納しているはずなのに部屋がすっきり見えない原因になってしまうのです。
現代の暮らしとミスマッチな収納スタイル
押し入れはもともと布団を収納するために作られたものなので、今の暮らしにはちょっと合わないと感じる場面が増えてきています。
例えば、今は日用品や書類、季節家電など細かいものをすっきり収めたいという人が多いのに、押し入れには仕切りがなく、引き戸で中が見えづらい構造のため、物の出し入れが意外と大変です。
しかも、和室は「とりあえず物を置く部屋」として使われがちなので、気づいたらごちゃごちゃしていた…なんてことも。 現代の収納ニーズと昔ながらの押し入れのスタイルには、どうしてもズレがあるのかもしれません。
収納したいモノの“種類と量”が変わってきた
今の暮らしでは、収納したい物がとても多く、しかも種類もバラバラです。
洋服や日用品はもちろん、本や子どものおもちゃ、アウトドアグッズや趣味の道具まで、人によって本当にさまざまです。
昔の和室は、布団やちゃぶ台など限られた物を収納すれば十分でしたが、現代の生活にはとても追いつかなくなってきました。
特に、和室を子ども部屋や在宅ワーク用の書斎として使うとなると、収納するモノも細かくなり、押し入れだけでは使い勝手が悪いと感じやすくなります。 暮らし方が変われば、収納の形も変えていく必要があるといえるでしょう。
和室に合う収納家具、選び方のポイント
和室にぴったりの収納家具を選ぶときは、雰囲気になじむかどうかに加えて、毎日の暮らしで使いやすいかも気になるところです。
そんな家具選びのヒントをいくつかご紹介します。
畳にやさしい!圧迫感の少ない低めの家具
和室に収納家具を置くときに、まず気をつけたいのが「家具の高さ」です。
和室は、床に座って過ごすことが多い空間なので、背の高い家具を置いてしまうと、どうしても圧迫感が出てしまいます。
視線を遮らないロータイプの収納棚を選ぶと、空間にほどよい抜け感が生まれて、畳の部屋がより広く、すっきりと見えるようになります。
また、背が低い家具は小さなお子さんやご年配の方でも使いやすく、日々の暮らしの中でも安心してお使いいただけます。 さらに、畳への負担を減らすには、脚のないタイプや設置面が広い家具を選ぶのがおすすめです。
木の風合いが映える、あたたかみのある素材
和室の魅力のひとつに、自然素材のやさしさがあります。
畳や障子など、目に入るものがどれもやわらかな風合いなので、収納家具も「木のぬくもり」を感じられる素材を選ぶと、空間によくなじみます。
例えば、無垢材を使った棚や、木目がきれいに出ているキャビネットなどは、ナチュラルな雰囲気を引き立ててくれます。
ブラウンやベージュ系の色味は、和室と特に相性がよく、落ち着いた印象にまとまります。 人工的な素材よりも、ちょっと素朴で、あたたかみのある素材のほうが、見た目にもやさしく、心までほっとするような空間がつくれます。
空間になじむ、シンプル&モダンなデザイン
収納家具を選ぶときは、素材だけでなく「デザイン」も大切なポイントです。
和室は、直線を基調としたつくりになっていることが多いので、家具もなるべくシンプルで直線的なデザインを選ぶと、空間にすんなりと溶け込みます。
例えば、余計な装飾のない棚や、取っ手が目立たない扉付きの収納などは、すっきりとした印象を与えてくれます。
最近では、木の風合いを活かしながら、少しモダンな要素を取り入れた収納家具も増えてきました。 伝統的な和の雰囲気を大切にしつつ、どこか今っぽさも感じられる空間になるので、「和室ってちょっと古くさく感じるかも…」という方にもおすすめです。
インテリア全体でトーンを統一するコツ
和室に収納家具を置くときは、インテリア全体の「色合い」や「雰囲気」を揃えてあげると、より心地よい空間になります。
例えば、畳のやさしいグリーンや、障子の白っぽい色に合わせて、明るめの木目やブラウン系の家具を選ぶと、統一感が出て見た目もぐっとおしゃれになります。
家具だけ浮いてしまうような色や素材を選ぶと、どうしてもごちゃついた印象になってします。
クッションや照明、小物なども含めて全体のバランスを意識してみると良いでしょう。 ちょっとした工夫で、和室がもっと自分らしく、過ごしやすい空間に変わっていきますよ。
和室をもっと便利にする収納アイデア

和室をもっと心地よく使うためには、ちょっとした収納の工夫が役に立ちます。
小上がりや押し入れなど、もともとのつくりをうまく活かしながら、暮らしに合わせて取り入れてみるのもおすすめです。
小上がりにして引き出し収納をプラス
和室の一部を少し高くしてつくる「小上がり」は、ちょっとしたくつろぎスペースとして人気があります。
そんな小上がりの下の空間を引き出し収納にすることで、見た目すっきり&たっぷり収納が叶います。
引き出しの中には、季節ごとの布団やお子さんのおもちゃ、よく使う日用品などをしまっておけるので、とても便利です。
普段は畳のスペースとして使いながら、必要なときだけサッと引き出せるのがうれしいポイント。 リビングの一角を和室として使う場合にも、小上がりは空間に変化が生まれ、自然な仕切りにもなります。
押し入れを“見せる収納棚”に変える
奥行きがあって収納力のある押し入れは、ちょっと工夫することで「見せる収納」としても活躍してくれます。
例えば、棚板をつけたりカラーボックスを入れたりして、空間を区切るだけでも使いやすさがぐっとアップします。
お気に入りの小物や本、よく使う衣類などを並べれば、使い勝手もよく、見た目にも楽しい収納スペースです。
ふすまを思い切って外せば、オープンな棚としてお部屋に開放感も生まれます。
収納ケースやかごを使えば、ごちゃつきも防げて、ナチュラルでやわらかい印象に仕上がります。
押し入れを自分らしくアレンジして、和室にぴったりのインテリアを楽しんでみてはいかがでしょうか。
間仕切り家具でリビングと緩やかに分ける
リビングとつながっている和室は、間取りをうまく活かせる一方で、「どこまでが和室?」と境界が曖昧になりがちです。
そんなときは、収納を兼ねた間仕切り家具を使って、空間をやさしく区切ってみましょう。
背の低い棚やキャビネットなら、圧迫感が出にくく、お部屋全体に自然と馴染みます。
収納スペースとして活用しながらも、目隠しや空間のアクセントになるので、実用性とデザイン性を兼ね備えたアイデアです。
木のぬくもりを感じる素材を選べば、和室の落ち着いた雰囲気にもぴったりです。
無理に壁で仕切らなくても、家具の力で「ほどよい距離感」を作ることができます。
部屋をつくらず和空間に。造作家具で叶える和のくつろぎ
お部屋の一角に小上がりをつくるだけで、ゆったりと落ち着く和の空間が生まれます。
例えば、リビングの中にちょっとした段差を設けて、畳やソファーベッドを置けば、昼はゆったりくつろげる場所、夜は寝室としても使える便利なスペースとなります。
引き出し収納をつけることで、布団や衣類もしっかりしまえて、お部屋もすっきり保てます。
収納にはキャスターとスライドレールを併用しているので、開け閉めもラクにできて安心です。
和室らしい雰囲気を大切にしながら、暮らしに合わせて使いやすさもきちんと考えた造作家具です。
新築住宅の施工では特に人気のご依頼で、お客様の暮らしに合わせて柔軟に設計・施工しています。
まとめ
和室の収納は、昔ながらの押し入れや天袋に限らず、暮らしに合わせたアイデアを取り入れることで、ぐっと使いやすくなります。
小上がりの下に引き出しをつけたり、押し入れをオープン棚に変えたりするだけでも、毎日の暮らしが少し楽になります。
家具の高さや素材、デザインにこだわることで、和室らしい落ち着いた雰囲気はそのままに、空間の印象もやわらかく整います。
自分らしい収納のかたちを見つけて、和室をもっと心地よい空間へと整えていきましょう。
村上木工製作所について
山口県熊毛郡にある村上木工製作所では、オーダーメイドの家具や建具を職人が一から丁寧に手がけています。
既製品にはない木のぬくもりや使い心地を大切に、素材選びから設計・製作・取り付けまで一貫して対応しています。
大手にはない柔軟さと、20年の経験を活かした確かな技術で、お客様のご要望に細やかにお応えしてきました。 暮らしに自然になじみ、長く愛着を持って使える家具をお届けしたいと考えています。