住まいに光とやさしさを添える、ガラス入り建具の選び方
2025.06.30
室内をやわらかく仕切ったり、光を取り込んで明るさを広げたりと、ガラス入りの建具には暮らしを心地よく整えてくれる工夫がたくさん詰まっています。
ガラスの種類や建具のデザインをちょっと変えるだけでも、空間の雰囲気がぐっとやさしくなります。
見た目のおしゃれさはもちろん、安全性や使いやすさにも気を配りながら、自分らしい住まいづくりを楽しんでみてください。
本記事では、そんなガラス建具の種類や選び方について、分かりやすくご紹介していきます。
建具に使われるガラスの種類を知ろう

建具に使うガラスには、透け感のあるものや模様が入ったものなど、いくつか種類があります。
利用する場所や好みに合わせて選ぶことで、暮らしやすさや雰囲気が自然と整っていきます。
視線を通す?遮る?透明ガラスとすりガラスの使い分け
建具に使われるガラスの中でも、よく見かけるのが「透明ガラス」と「すりガラス」です。
透明ガラスは表面がつるっとしていて歪みも少なく、光をしっかり通してくれるのが特徴です。外の景色がよく見えるので、開放感を出したい場所に向いています。
一方のすりガラスは、表面に細かなキズをつけて作られており、光は通しますが、中は見えにくくなります。
プライバシーを守りたい洗面所やトイレ、隣家と近い窓などにぴったりです。
また、明るさを確保しつつ、見せたくない部分をさりげなく隠せるのも魅力です。
強くて安心!強化ガラスが選ばれる理由とは
強化ガラスは、普通のガラスに比べて強度がぐんと高くなるように作られています。
非常に高い温度で加熱したあとに一気に冷やすことで、丈夫さが加わるのがポイントです。
見た目は一般的な透明ガラスとほとんど変わりませんが、割れにくく、万が一割れても小さな粒状になるので、ケガをしにくいという安心感があります。
玄関ドアや室内の扉、窓など、割れたときの安全性が大切な場所でよく使われています。
ただし、強度が高いとはいえ、角にヒビが入ると一気に壊れることもあります。そのため、丁寧に扱うことが大切です。
レトロでおしゃれなデザインガラスの魅力とは
建具を少しだけ個性的にしたいときにおすすめなのが、チェッカーガラスやステンドグラスといったデザインガラスです。
チェッカーガラスは表面に小さな格子模様が入っていて、やわらかく光を通しながら視線をやんわり遮ってくれます。
落ち着いた雰囲気があり、ナチュラルテイストのインテリアにもよく合います。
ステンドグラスは色付きのガラスを組み合わせたもので、光が当たるとほんのり色が浮かび上がり、空間が一気に華やぎます。
ちょっと特別な雰囲気を演出したいときにぴったりのガラスです。
ガラス建具を選ぶときのポイント
ガラス入りの建具は、お部屋の雰囲気や使いやすさをぐっと引き上げてくれます。
素材や形、取り付ける場所によって、ぴったりの選び方も少しずつ変わってきます。
そのため、暮らしに合ったガラス建具を選ぶことが大切です。
木製とアルミ、どちらの建具が自分に合う?
ガラス建具の枠には、大きく分けて木製とアルミ製があります。
木製は木のぬくもりが感じられ、やさしくあたたかい雰囲気をつくってくれるのが特徴です。ナチュラルなインテリアや和風のお部屋にもよく馴染みます。
一方でアルミ製は見た目がすっきりとしていて、モダンな空間や水まわりでも使いやすいのがポイントです。お手入れがラクなところも魅力のひとつです。
どちらの素材もガラスと相性が良いので、空間のテイストや使う場所に合わせて選んでみると、きっと心地よい空間になります。
開き戸と引き戸、暮らしに合うのはどっち?
建具には、前後に開ける「開き戸」と、横にスライドする「引き戸」があります。
開き戸はしっかりとした開閉ができて、個室や玄関などによく使われますが、開けるときに少し広いスペースが必要です。
一方で引き戸は場所を取らず、スッと開け閉めできるので、リビングや廊下、洗面所のような通り道にもぴったりです。
小さなお子さんや高齢の方にも使いやすく、バリアフリーの視点でも人気があります。
毎日の動きやお部屋の広さに合わせて、無理なく使えるタイプを選ぶと快適さがぐっと増します。
リビングにぴったりのガラス建具
リビングにガラス入りの建具を取り入れると、お部屋全体が明るく開放的な雰囲気になります。
透明なガラスを選べば、玄関や廊下まで自然光が届きやすくなり、昼間の照明をつけなくても過ごせることもあります。ガラスを通して家族の気配を感じられるのも安心ですね。
ただ、視線が気になる場所には、少しぼかしのあるフロストガラスや、模様が入ったチェッカーガラスがおすすめです。
見た目もおしゃれで、ナチュラルからモダンまで幅広いインテリアに合います。安全面が気になる方は、割れにくい強化ガラスを選ぶとより安心です。
キッチン・洗面まわりにおすすめのガラス建具
キッチンや洗面所などの水まわりは、ガラスの建具を使うことで自然光が入りやすくなり、すっきりと明るい印象になります。
特に、採光が取りにくい場所ではガラスの効果が大きく、閉塞感も和らぎます。
ただし、透明なガラスだと中が丸見えになってしまうこともあるので、やわらかく視線を遮ってくれるすりガラスやフロストガラスがよく選ばれています。
お手入れのしやすさを考えると、汚れがつきにくい表面のなめらかなガラスが扱いやすいです。
素材やデザインを工夫すれば、機能性と見た目の両方を大切にした空間づくりができます。
オーダーメイドで作る、理想のガラス建具

オーダーメイドのガラス建具は、使う場所や暮らし方に合わせて、サイズやデザインを自由に決められます。
細かいご希望にもじっくり向き合いながら、理想のかたちを一緒にお作りします。
ガラスサイズはどのように決める?
オーダーメイドでガラスの建具を作るときは、まず「どこで使うのか」「どんなふうに使いたいか」をしっかり考えることが大切です。
例えば、リビングとダイニングの間に使う場合は、光がたっぷり入るように大きめにしたり、逆に玄関まわりなどは外からの視線を意識して控えめなサイズにしたりします。
ガラスはサイズが大きくなると重くなるため、開け閉めのしやすさや安全性も考慮しながら調整していきます。
厚みについても、軽やかに見せたい場所と、しっかり感を持たせたい場所でちょうど良いものを選びます。迷った際にも、職人が丁寧にアドバイスしますのでご安心ください。
オーダーメイドならではの自由なデザイン例
せっかくオーダーメイドで建具を作るなら、ガラスのデザインにもこだわってみませんか?
例えば、すっきりした透明ガラスで空間を広く見せたり、模様入りのガラスでちょっとしたアクセントを加えたりと、アイデア次第で雰囲気がぐっと変わります。
昔ながらのチェッカーガラスを使って懐かしさを感じる仕上がりにするのも素敵ですし、すりガラスでふんわり光を通して、やさしい空間にすることもできます。
取っ手や枠の色や素材も選べるので、細かな部分まで「好き」を詰め込むことができます。
日々の暮らしにしっくり馴染むような、あなただけの建具を作ってみませんか?
職人と一緒につくる“ぴったり”の建具とは
オーダーメイドの一番の魅力は、「自分たちの暮らしに合ったものがつくれること」です。
例えば、お部屋のサイズや家族構成、お手入れのしやすさまで考えて、職人がひとつひとつ丁寧に形にしていきます。
「なるべく光を取り込みたい」「小さなお子さんがいるので安全面が気になる」など、どんな小さなご希望でも大丈夫です。
会話を重ねながら、「ここにこんな建具があったらいいな」という気持ちに寄り添い、ご提案やアドバイスをいたします。
図面や写真がなくても、ふんわりとしたイメージでも構いません。まずは、どんなことでもお気軽にご相談ください。
ガラスは意外と繊細!安全に作業するためのポイント
ガラスは見た目以上に繊細で、ちょっとした衝撃でも割れてしまうことがあります。
作業をするときは、持ち方や置き方に気をつけて、ゆっくり丁寧に進めることが大切です。
採寸は慎重に!ぴったり収めるための測り方のコツ
ガラスの建具をきれいに収めるには、まずサイズを正確に測ることが大切です。
たとえ数ミリのズレでも、建具がうまくはまらなかったり、開け閉めがしづらくなったりすることがあります。
縦・横だけでなく、場所によって微妙にサイズが違う場合もあるので、数か所を測って確認しておくと安心です。メジャーだけでなく、水平器があるとより正確に測れます。
また、枠の内側を測るときは、角の部分まで丁寧に見ておきましょう。
「ちゃんと測れているか不安…」というときは、職人さんに相談してみるのもおすすめです。
無理は禁物!プロに頼るべきタイミングとは
ガラスの建具はとても繊細で、扱い方を間違えると割れてしまうこともあります。
特に、大きなサイズや厚みのあるガラスは、運ぶだけでも一苦労です。
無理に取り付けようとすると、ケガをしたり、家の一部を傷めてしまうこともあります。
また、少しでも傾いた状態で取り付けてしまうと、開け閉めがスムーズにできなくなったり、見た目が不自然になることもあります。
道具が足りなかったり、「ちょっと難しいかも」と感じたら、無理をせず、プロにお願いしてみましょう。安心して仕上げることができます。
まとめ
ガラス入りの建具は、光の通り道をつくったり、空間をふんわりと仕切ったりと、住まいにやさしい雰囲気を添えてくれます。
透け感や模様、素材の組み合わせによって印象が変わるので、どんな空間にしたいかをイメージしながら選ぶことがポイントです。
安全性や使いやすさにも目を向けて、長く心地よく使えるものを見つけられると安心です。
毎日の暮らしに自然と溶け込むような、心地よい建具を選ぶ参考になれば幸いです。